2015年11月30日月曜日

Raspberry PiをノートPC化するPi-Topにユーザーpiでログインしてみた

はじめに

(注)こちらのページは、2015年に発売されたpi-topの旧バージョンについての記事です。2017年に発売された新バージョンについての記事はこちらになります。

Raspberry PiをノートPC化するPi-Topが届いた」にて、Pi-Topに触って見ましたが、Pi-Top OSと呼ばれるOSを用いており、ログイン時にPi-Topサイトのアカウントでログインしなければならないことが不満でした。その主な理由は下記の通りです。
  • ログインした後は普通のユーザーpiなので、Pi-Topアカウントでログインする必然性がないこと(CEED universeというものと連携させたいのでしょうが)
  • ログイン時にインターネットに接続していなければならないこと
  • ログイン時に相手側サーバーがダウンしていたらログインできないこと
  • インターネット接続にProxy接続は許されないこと
そのようなわけで、通常のRaspbianのようにユーザーpiでログインできるようにしてみます。さらに、このPi-Top OSを通常のRaspbianに近い外観で使用できるようにもしてみましょう。

グラフィカルログイン方式、およびコンソールにログインしてstartxコマンドでXを起動する方式の両方でできました。


手順

LXterminalを起動し、.xinitrcを無効にします。
$ mv .xinitrc .xinitrc.bak
さらに、X起動時に自動でdashboardというアプリケーションが起動してしまうのを以下で抑制します。
$ mv .config/lxsession/LXDE-pi/autostart .config/lxsession/LXDE-pi/autostart.bak
最後に、下記のコマンドでスプラッシュスクリーンを無効にしましょう。後で解説しますが、これは45秒間の動画を流しているだけです。
$ sudo mv /etc/rcS.d/S01nasplashscreen /etc/rcS.d/K01nasplashscreen
あとは再起動すれば、ユーザーpiのデスクトップで起動すると思います。

バッテリー残量表示のアイコンがありませんが、以下のコマンドで残量が表示できるのでそれほど問題にはならないかなと思います。
$ battery
コンソールログインが良いという方は次の作業も行なってください。なお、このページの末尾にはこのPi-Top OSを普通のRaspbian風に用いる方法も記していますので、必要に応じて最後までご覧ください。

コンソールログインしたい場合

コンソールにログインしたいという方は、下記に従います。

まず、ユーザーpiのパスワードを念のため確認しておきましょう。 Pi-Top OSにログインし、LXTerminalを起動して、
$ su - pi
というコマンドによりユーザーpiにログインしてみてください。パスワードは「raspberry」ではなく「pi-top」であると思います。そのことを確認できたら次に進みましょう。

再びLXTerminalを起動して下記のコマンドを実行します。
sudo raspi-config
そこで「3 Enable Boot To Desktop/Scrach」→「Console Text console, requiring login (default)」を選択して再起動しましょう。これでコンソールへログインする形式になります。

このとき、ユーザーのIDとパスワードは先ほど確かめた通り、
  • ID: pi
  • パスワード: pi-top
です。

ログイン完了時に
Cannot open display "default display"
というエラーがでますが、これは気にしないことにします。多分.bash_profile内に書かれたコマンドのせいだと思うのですが、これを消すと別のエラーが出るためです。 あとは必要に応じてstartxコマンドでXを起動してください。

何をしたのか?

上の設定で何をしたのかですが、基本的には「ユーザーpiのログイン時にdashboardというアプリケーションが起動されるのを抑制した」だけです。

dashboardを通常通り起動すると、「ユーザーpiのデスクトップが起動→dashboardというアプリケーション(Pi-Top OSのログイン画面)が起動」という流れが見えてしまうので、Pi-Top OSでは45秒間の動画(/home/pi/.pi-top/media/splash.mp4)を流してそれを隠している、というわけです。しかし、45秒間待たされるというのはユーザーにとってはメリットは何もないわけで、ちょっとお粗末だなと思います。

通常のRaspbianのように使ってみる

以下、このPi-Top OSを通常のRaspbian風にする設定を列挙します。

LXTerminalが最大化されて起動されるのを防ぐ

.config/openbox/lxde-pi-rc.xmlをleafpadなどのテキストエディタで開き、下記の部分を見つけます。
  <application name="lxterminal">
    <maximized>yes</maximized>
  </application>
この「yes」の部分を「no」に変更してからXを再起動すると、LXTerminalが最大化された状態で開くのを抑制することができます。なお、leafpadも最大化されてい開くかもしれませんが、こちらは、一度小さくしてから終了するとそのサイズが保存されます。

パネルの位置を上に

パネル上で右クリックして「パネルの設定」を開き、「ジオメトリ」→「位置」→「端」→「上」

タスクバーのアイコンに文字を出す

タスクバー上で右クリックして「タスクバー(ウインドウのリスト)Settings」→「アイコンのみ」のチェックを外す

メニューボタンのアイコンをRaspbianのものに

メニューボタン上で右クリックして「メニューSettings」→「アイコン」を/usr/share/raspberrypi-artwork/raspitr.pngに

壁紙をRaspbianのものに

壁紙上で右クリックして「デスクトップの設定」→「外観」で「壁紙のモード」を「原寸大のまま中央に配置する」に、「壁紙」を/usr/share/raspberrypi-artwork/raspberry-pi-logo-small.pngに、「背景色」を赤214、緑211、青222に。

以上で、Pi-Top OSが通常のRaspbianにこの程度近づきました。


こちらもどうぞ




「ラズパイ4対応 カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作」、「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」、「Raspberry Piではじめる機械学習」を執筆しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿